素晴らしい昆布のこと

 

 温古堂の橋本先生に出会って以来、食の大切さを学んできましたが、橋本先生から、栄養学者の川島四朗先生の事を教えていただき、直接お目にかかることはできませんでしたが、本で勉強させていただきました。

 

 緑の野菜こそが、きれいな血液を作る、火山灰の多い日本の土は、カルシウムなどの栄養をほとんど含んでいないけれど、幸い日本は島国なので、海の中の海藻で素晴らしい栄養を補うことが出来る、日本人は肉よりも魚や海藻などの海の中のものを摂るほうが体に合っている、などなど、川島先生からも沢山の大切なことを学びました。特に私が印象的だったのは、先生がいつも持ち歩くとおっしゃっていた、昆布のチューインガムの話です。

 

 こんぶは、利尻や羅臼などのもので、値段は高くても肉厚で美味しいものを選びます。やはり出汁の出方がまったく違います。それを1センチ幅よりもう少し細く切ります。細長いですから見た目はチューインガムのようなのです。ただこれだけです。

 

 これを川島先生は常に背広のポケットに入れていて、ガムや飴の代わりにいつでも口の中に入れ、とろとろになるまで溶かしながら食べていらした、ということでした。

 出汁の味が美味しいのと、ミネラルなどの素晴らしい栄養が摂れるのはもちろん、昆布は胃の中で膨らみますから、ちょっとお腹が空いた時など、ローカロリーでお腹もいっぱいになるわけです。もう好い事づくめの昆布の一番簡単な食べ方を知り、それからは我が家でもずっと重宝しています。

 

 よい昆布をたくさん常備しておくと、もしもの時の非常食にもなりますし、細長く切ってありますから、出汁を取りたい時にもすぐに使えて、べんりなのです。溶けるまでたくさん歯を動かしますから、これも何かと良さそうですよね。ピクニックやドライブ、旅行などには、ビニール袋に入れて持って行きます。