玄米と食べもののこと

 

 いろいろな試行錯誤の結果、今では橋本先生のおっしゃる、百点満点でなくていい、落第しなければ。60点をとっていればいい、というお考えに大いに励まされ、玄米食を”取り入れる”という暮らしでやってきています。

 

 義母と、食べ盛りの子どもたちの食事、全く違うように思えるその両方を考える中で心がけたことは、歯の数に合わせた食事の重要性です。中心となるものは穀物で、野菜類、肉や魚類と続きます。

 また、昔から日本に伝わる豆腐、納豆、きのこ、海藻、山菜などを季節ごとにいろいろ取り混ぜ、その組み合わせは自由自在です。

 

 野菜は自然の生き物、そして私達もまた自然の生き物ですから、その時獲れるものを食べていて、それで大丈夫なのです。

 わざわざ真冬に、真夏が旬のキュウリやナス、トマトを食べなくても、真冬が旬の青菜や根菜を食べていればいいのです。

 真夏の野菜は本来、暑さで苦しい体を冷やすために存在しているので、冬の私達の体には適していません。あらゆる食品には、それぞれ自然の有難い機能があり、私達は出来るだけそれに素直に従っている方がいいのです。

 

 このようなことを知ると、毎日の献立も、より多くの食材で、と肩肘を張らなくとも、今はこれの時期だからと自然に考えられて楽になるのではないでしょうか。

 玄米の炊き方にも一時は凝ったものでした。本当に様々な炊き方があります。

 

 研いですぐ圧力鍋にかけ、シュルシュルと鳴ってから中火で20分、火を弱めて15分、蒸らして50分、その後3日間炊飯器に入れて発酵させる。発酵玄米、の作り方も学びました。

 確かにとても美味しかったのですが、手間と時間がかかってしまい、長くは続けられませんでした。今では炊飯器で作る一番簡単な方法で楽しみながら作っています。

 

 家族の人数に合わせて作ってください。私は今主人と二人なので、2合の玄米と、黒米大さじ1、小豆大さじ3を合わせてさっと洗い、3合の目盛りの水加減にして一晩置きます。

 朝早めに炊きあがるようにセットして炊飯器の中で白米より長く蒸らしてから、空気を入れます。白米でも玄米でもご飯は炊き上がりに蒸らした後、空気を含ませふわっと混ぜるととても美味しくなります。

 

 最近私が凝っているのは、炒った玄米で作る、簡単な玄米雑炊です。

 玄米を研ぐ手間が要らないので、今すぐ手軽に玄米雑炊を食べてみたいという方にお勧めです。その簡単な作り方をご紹介したいと思います。

 

 玄米4分の1カップをサッと洗ってザルにとり、布巾で軽く水気を拭きとります。鍋は少し厚手の鍋を用意し、中火で熱くしておきます。

 鍋に玄米を入れ、中火のままで乾煎りします。プチプチと玄米の外側の殻がはじける音がしてきます。ちょっとポップコーンを作っているような感じです。あまり弱火だとお米がはじけないので、中火を保ってください。3~4分で、薄い茶色になってきます。

 その鍋に出汁3カップを加え、小さめに切った大根、ニンジン、ジャガイモ、豆腐、きのこ類など、お好みの野菜を加えます。

 野菜が柔らかくなる頃、玄米はフワーッと膨らんで、こちらもちょうど良くなり、炒った時の香ばしい香りと野菜の相性も抜群で、さらに美味しい出汁もでています。

 塩と醤油で味付けして、出来上がりです。味噌を溶いて、味噌雑炊ももちろん美味しいです。寒い季節は、身体の芯から温かくなります。

 

 出汁の代わりにトマトジュースを入れ、玉ねぎ、ズッキーニ、なす、ジャガイモなどを入れればイタリア風のリゾットにもなります。

 

 またチキンスープで煮てから、長ネギや卵などお好みのものを散らせば中和のお粥になり、これもヘルシーで、若い方に大好評です。

 お試しくださいね。