私達の身体の動きは、とても複雑なものの様に思いがちですが実は、上下する、左右にひねる、前後に倒す、伸ばす、縮む、この8つの動きしかないそうです。これが基本となり、あとはこれらの動きを組み合わせて複雑な動きになるだけなのだそうです。これが分かると、先生のおっしゃる、歪みは自分自身で治せる、ということにも納得がいきました。

 

 以来私は、朝ベッドの中で、かかとを立てて足を伸ばし、右に、左に、ゆっくり気持ちのいい方に押してみて、どちらか気持ちのいい方にだけ息を吐きながらゆっくり押す、というのを続けています。気持ちいいのを味わうことが大切です。

 

 また、手足、首などを回してみて、これも気持ちのいい方にだけ回す、などを実践し、毎朝一番に自分の身体の調子を確認しています。そして無事に目覚めた体に感謝し、「ありがとう、今日も1日よろしくね」と声をかけます。夜はまた、1日活躍してくれた体の各部に感謝して、ゆっくりと腹式呼吸をしながら、「今日も1日ありがとうございました。」とお礼を言います。

 そんな日々を送っているうちに、私は本当に、日1日と元気になっていきました。

 

 操体法による、生き方の自然法則をご紹介します。

 

呼吸

 腹式呼吸が一番良いとされています。夜、眠る前に布団の中で膝を立て、手を下腹にあて、お腹を凹ませながら息を吐ききります。そのあとでたっぷり息を吸いますが、その時は自然に任せて十分吸います吐く息が大切なので、できるだけ長く、ゆっくりと吐きます。毎晩、出来れば10回くらい行うのが理想です。

 

食事

 歯の種類と数に合わせて食べることが大切です。前歯は野菜、犬歯は肉、魚、臼歯は穀物のために生えています。その割合は2対1対4です。食べものはこれに従い、野菜を2、動物性のものを1、穀物を4、摂るつもりで食べていればよいのです。動物性食品の摂りすぎは、本来、不自然なことなので、あらゆる万病の元となります。植物食(穀物もこれに入ります)中心が、自然ということです。また、よく噛み、唾液を多くだし、ドロドロにしてから胃に送ってあげると、胃の負担が減り、体調も整ってきます。

 

精神活動

 この世に生を受けたことにまず感謝します。感謝のない人生は最も悲しい人生となります。人は常に、天地の恵みと、周りの多くの人々の愛情に支えられて生きています。この恵みに目覚めないと不平不満が多くはびこります。常にこの、恵まれていることに心を配り、探し求め、気が付いたらそのことを口に出して感謝することです。感謝すれば、心は明るくなり、運命は好転していきます。運命は常に、口から出す言葉の方向に向かって進んでいきます。

 

体の動かし方

 人の運動の基本は、体の中心(腰)に重心を安定させてあげることです。そのためには、上半身では、手の小指側に、下半身では足の親指側に力を入れるように動くことが一番です。靴の底を見てみて、外側が減っている時は、不自然な歩き方をしているということですから、靴の内側が減る歩き方を心がけて下さい。

 何より大切なことは、体のバランスを整えるということです。気持ちのいい方に体を動かしていれば、自然にバランスは整ってきます。右利きの人は、立って仕事をする際、右足を後ろに引いてください。疲れにくく、自然とバランスが取れます。

 

 これらの4つの自然法則に従って暮らしていれば、体は壊れない。「体の設計にミスはない」(橋本先生のご著書)ということです。