無題

 

 東京に転勤になり、文京区の実家でしばらくの間お世話になった後、現在住んで居る小金井市に移り住みました。東京都とはいっても緑豊かな、のどかな所です。

 

 越して間もなく小金井市がゴミ処理場問題解決の一案として、市民にEM酵母菌を配り、生ごみを減らす運動を始めたことを知りました。

 EM酵母菌が良いという事は知っていましたので早速取り寄せ、試行錯誤を始めてみました。

 いろいろ試してみて分かってきた事は、EM酵母菌が好きなのは果物や野菜で、肉や魚など動物性のものと腐敗したものは好まないという事でした。

 まず毎日の暮らしの中で出る野菜と果物のくずの水気を切ります。

 大きなものは刻んであげ、専用のポリバケツにそれをパラパラと散らし、EM酵母菌(ぼかし、と言われています)を一握り振りかけ、きちんと蓋をして庭の隅に置きます。直射日光の当たらない涼しいところが好きなようです。

 

 これを繰り返し、上まで一杯になったら夏場は一か月、冬場は二か月くらいそのままにしておきます。菌ですから、発酵するのを待つわけです。バケツは2,3個は必要で、出来たものから順番につかいまわしてゆきます。

 

 上手に出来た時の香りは何となくフルーティで、独特の匂いはありますが、全く気になりません。ですからちょっと臭いのするものや、腐りかけのものは野菜や果物であっても残念ながら、入れないようにしています。

 生き物であるこの菌の大好きなものだけ入れてあげて、気持ちよく大いに活躍してもらいたいのです。

 

 ”もったいない”がそのまま世界で通じる言葉になってきていて、嬉しく思っています。

 なるべく安全な、農薬のかかっていない野菜を選ぶと、皮も葉もほとんど捨てることなく料理に使えて、気持ちの良いものです。

 でもどうしても多少のゴミはでてしまう、それを有効なものに変えてくれるEM酵母菌はかなりえらいと思います。

 

 1,2か月経って、いい具合に出来上がったこの酵母は、プランターなどの下に敷き、上から土をかけてしばらくの間休ませてから、種を撒いたり苗を植えたりします。生ゴミを出すのが私の役目、その後の事は主人が丹精込めてやってくれています。

 

 ガレージの広さの所にプランターを置き、夏はキュウリ、トマト、ナス、ゴーヤ、オクラ、ツル葉、そしてバジル、青ジソ、ミントなどのハーブ類など、何でも。

 

 なかでも青ジソは、とりわけ鉄分、ミネラル、カルシウムなどが沢山含まれているので、毎朝摘んで水と一緒にミキサーにかけ、その時々のフレッシュジュースで割って飲みます。

 ハチミツとレモン汁を加えてももちろん美味しいです。青汁独特の苦さはなく、シソの爽やかな香りが夏の暑さをやわらげ、栄養もたっぷり摂れますから、お蔭で夏バテをしないで済んでいるのかもしれません。

 

 ゴールデンウィーク前後になると野菜の苗がたくさん出回ってきます。

 あまり早くに植えても、遅霜にやられてだめになってしまったり、元気よく育ってくれません。夏の間中、大活躍のモロヘイヤなどは暑いのが大好きですから、5月の末頃植える方がよいようです。

 

 野菜作りも、失敗しながら年々学んでゆき、去年は失敗したから、今年はこうしようなどと、こちらは主人が未だに試行錯誤してくれています。