漬物のこと

 

 漬物はよく、乳酸菌が生きていて体にとても良いと言われていますが、市販のものは美味しくするため、長持ちするため、また色をきれいに見せるためなどの目的で実にたくさんの添加物が入っています。

 自分で漬物を作ると分かるのですが、重しをはずしたたくあんや白菜漬けはすぐ酸っぱくなってしまい、おいしくなくなってしまいます。当然日持ちもしません。

 気温や、家族の人数なども昔とはずいぶん違ってきています。

 

 漬物は、家庭で食べる分を少量ずつ作り、早めに食べきるのがよいと思います。キッチンの上に置いておける小さな漬物作り器に、白菜四分の一株を切って入れ、塩をぱっぱっと振って、あれば唐辛子を1本ポンと置いて蓋をし、きゅっきゅっ。これだけで水が上がってくればもう浅漬けとして食べられます。大根や人参、柚子の皮などがあったらついでに薄く切って一緒に漬けてしまいましょう。

 朝作っておいて、夕食にはサラダ代わりにたっぷり食べられます。大根の葉も入れれば彩もきれいで、栄養たっぷりの一品になります。

 

 たくあんは、もう我が家の定番になっていますから、毎年欠かさず作っています。

30年ほど前にテレビで、堀プロダクションの社長さんがとても美味しいたくあんを作っていて、いつもタレントの皆さんに配り、喜ばれているというところを見ました。

 早速試し、好評でしたので、我が家ではそれ以来ずっとそのときの配合で作り続けてきました。昨年ある会合で堀さんにお目にかかることがあり、そのお話をしましたら、堀さんは今ではたくあん専用の部屋を作り、温度管理をして作り続けているとのことでした。

 

 そう言われると、最近東京は昔に比べ冬の温度が上がったため、美味しく漬からなくなってきたように思います。

 私はたくあん専用の部屋は作れませんから、最近は配合を変え、漬ける本数も減らし、美味しいうちに周りの方々に配って食べきるようにしています。